地域通貨「LETS(レッツ)」の仕組みとは

地域通貨「LETS(レッツ)」の仕組みとは

地域通貨の代表格である「LETS」という通貨をご存知でしょうか。世界には様々な地域通貨がありますが、LETSは古くから始まり、現在でもLETSの仕組みをベースとした地域通貨が流通しています。今回は、このLETSについて詳しく紹介します。

 

 

LETSの仕組み

LETSは記帳式の地域通貨で、1983年カナダのバンクーバーで誕生し、考案者はマイケル・リントンです。

LETSとはLocal Exchange Trading Systemの略で、特定の地域で利用することで独自の経済圏を作り、人と人が助け合うことでコミュニティを活性化させることを目的として作られました。

 

LETSを利用する流れは以下の通りです。

  • コミュニティへの登録
  • サービスの登録
  • 報酬を決める
  • 通帳へ記入

 

コミュニティへの登録

LETSは地域通貨なので、LETSが利用できるエリア(コミュニティ)は限られています。まずはそのコミュニティを運営する事務局に登録することで、自分もLETSを利用できるようになります。

 

サービスの登録

その事務局で以下2つのサービスを登録します。

  • 受けたいサービス
  • 提供できるサービス

サービスの内容は何でも良いです。たとえば、犬の散歩でも良いですし、自分の持っている技術の提供でも良いです。犬の散歩をして欲しいのであれば、その旨を登録することで「犬の散歩」をしてくれる人とマッチングしてくれるという流れになります。

 

報酬を決める

通常の法定通貨は、その国の中央銀行しか発行できません。日本円であれば日本銀行が発行し管理しています。しかし、地域通貨は法定通貨とは違い、誰でも発行することができ、LETSも同様、その地域が主導して発行しています。LETSの通貨単位は「グリーンドル」で、1グリーンドル=1カナダドルとされています。報酬額は、サービスを受ける人、提供する人との間で取り決めすることができます。

 

通帳へ記入

LETSのコミュニティメンバーは、LETSを記帳するための通帳を持っています。実際にサービスの提供が終われば、お互いの通帳に以下のように記帳します。以下は、犬の散歩を300LETSで行った場合です。

  • サービスを受けた人(散歩してもらった):-300LETSを記帳
  • サービスを提供した人(散歩した):+300LETSを記帳

そして、お互いがサインをすることで、このサービスは300LETSで提供されたということになります。ここからわかるように、常にLETSの総量は変わりません。 地域通貨LETS(レッツ)

 

LETSの特徴

フリーライダー問題がある

自分のグリーンドルを増やすためには、商品やサービスを提供することが求められますが、マイナス状態であっても商品やサービスの提供を受けることはできます。

 

兌換性がない

LETSでの取引が頻繁に行われても、物理的な通貨のやりとりは一切ありません。兌換性がないため、助け合いなど原価がかからないサービスに向いている通貨と言えるでしょう。

 

コミュニティの結びつきを強められる

「重い荷物をもつ」「道案内をする」など、人が親切で行った行為に対して、法定通貨では支払えないが、代わりに地域通貨LETSで支払うことができるため、人とのコミュニケーションが増えたり、助け合いの機会も増えたりし、コミュニティを活性化させることが期待できます。

 

 

LETSをベースとして成功した地域通貨「バニア」

1987年、オーストラリアのマレーニで導入されました。マレーニに信用組合や生協を設立したジル・ジョーダンが、信用組合ではカバーできない人々の経済活動を促進するために、「バニア」という単位の地域通貨システム、LETSを導入しました。

 

1バニア=1オーストラリアドルで無利子で、記帳式の地域通貨で紙幣やコインは発行しません。

 

当時のマレーニの町には失業者がたくさんいたが、肉体的には優れている若者が高齢者のためにLETSで仕事をし、高齢者は若者に経験から学んだ技能を教えるという交換がここから生まれました。これにより高齢者と若者が結びつき助け合う仕組みが生まれました。

 

貧しい者の購買力が生み出され、高齢者と若者の能力の交換が行われることで互いを助け合うことが可能になり、その結果、低所得の人たちに物やサービスを売買する機会を与える経済的恩恵とともに社会的恩恵をももたらしました。

 

 

LETSが生み出す社会

アンペイドワークに対価を支払うことができる

アンペイドワークとは家事や介護、地域のボランティア活動など、法定通貨での報酬がない(アンペイド)労働のことを指します。このような労働に対して法定通貨で支払うとなると、その支払いを行政が負担することになるので財政が悪化してしまいます。そのため、法定通貨での支払いは難しいのです。とはいえ、たとえば「子供を一時的に預かる」や「犬の散歩をお願いする」ことを無償で依頼するのは難しいものです。

 

アンペイドワークに対しLETSで支払うことができれば、地域内のコミュニティができLETSという通貨が循環します。そのLETSを利用して更にサービスを提供したり受けたりすることができるので、その地域内のコミュニティはどんどん強くなります。

 

また、自分の特技や趣味をサービスとして提供することもできます。これは、手に職があるものの、披露する場がない高齢者の社会復帰などにも期待できます。

 

 

まとめ

このように地域通貨LETSは、世界では2000もの地域で、オーストラリア全域では300 以上の地域で広がりました。コミュニティ活性化を目的とするのであれば、LETSは非常に有効な通貨と言えるでしょう。

 

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