なぜ失敗する地域通貨が多いのか?上手くいかなかった地域通貨の事例

なぜ失敗する地域通貨が多いのか?上手くいかなかった地域通貨の事例

地域通貨の中には、成功した通貨も失敗した通貨もあります。ここでの失敗と成功の定義は、流通量と存続期間の長さを一応の目安とします。現在日本国内だけでも600以上もの種類がありますが、多くの地域通貨が失敗に終わっています。

成功した地域通貨は別途ご紹介した通りですが、今回はあまり上手くいかなかった地域通貨をいくつかご紹介し、失敗した原因を探っていきます。

 

 

失敗した地域通貨の例

・EGG

EGGは静岡県清水駅前銀座商店街で生まれた地域通貨です。経済的な利益を追求することよりも、地域の社会的幸福の実現を目指しコミュニティを再構築しようとしていました。通貨の形式は、紙幣タイプではなく、プラスチック製のコインが用いられました。

元々、この商店街の人々は仲が良かったこともあり、わざわざEGGを利用するのが面倒と感じたのか、定着せずに終息していきました。

 

・LOVES

2002年に神奈川県大和市で生まれたLOVES(Local Value Exchange System)はICカード型の地域通貨です(単位はLOVE)。希望した市民9万人に、発行時は無償で1万LOVEが付与され、この時点で国内最大規模の参加人数をもっていました。ボランティア活動やエコバックを持参して買い物をした時にLOVEを獲得することができます。利用促進のため、年末に残高をリセットする(ゼロにする)こととしました。

代金としてLOVEを受け取っても使い道が少なく、このため、参加する商店が広がりませんでした。また、いくら貯めても年末にリセットされるため、逆にLOVEを貯めようという意欲を失わせてしまったようです。

 

・いっぽ

大阪府吹田市のNPO法人「友友(ゆうゆう)」が運営していた地域通貨「いっぽ」は、紙幣タイプの地域通貨です。初めに、有償ボランティアの利用者がいっぽを円で購入し、サービス対価として支払います。それを受け取ったボランティア提供者が商店街で利用でき、商店がいっぽを円と換金できる仕組みです。換金手数料はかかりません。「地域の助け合い」をキャッチフレーズに導入され、ボランティアという非市場的取引の対価に利用される地域通貨として広く市場取引できるよう、流動性を高めようとしましたが、地域に浸透することなく終了しました。

浸透しなかった理由としては、「いっぽ」を利用するメリットがなく、商店側ではいっぽを円と換金する手間がかかること等が原因です。継続して使いたくなる仕組みを取り入れる必要があったのではないでしょうか。

 

 

失敗しない地域通貨のポイントとは?

ほとんどの地域通貨が地域に根付かず終息してしまっています。失敗した多くの地域通貨の事例をもとに、失敗しないために気を付けるべきポイントを上げていきます。

 

・流通拡大と継続利用が重要

通貨は流通量が増えないと定着しません。そのためには、利用人数、利用可能な場所、継続的な利用回数が十分にないと成り立ちません。それらをふまえて、その地域コミュニティに合った仕組みを作ることが重要です。

 

・「わざわざ」地域通貨を利用する魅力的なメリットがあるか

ユーザーからみて、法定通貨を利用するよりも魅力的だと感じるメリットがないと、利用を定着させることは難しいでしょう。例えば、法定通貨では実現できないですが、使えば使うほど増価したり、法定通貨では支払えない場所に気軽に支払えたりなど、目的に合ったいろんな仕組みをもつ地域通貨が考えられるでしょう。

 

・地域の外の人でも利用できるか

地域通貨を持っていない外部の人からすると、地域通貨限定で取引ができるサービスに関しては、取引がしづらく不便です。例えば、観光客が多い地域などでは、地域通貨を外の人でも使える仕組みにするなど、対応しない限り、経済活動が地域内に限定されてしまう可能性があります。

 

・B to Bでの取引に利用できるか

地域通貨が流通しない大きな理由の一つに、企業間での取引に利用できないことが挙げられます。地元の商店街同士なら利用できるが、いわゆる「会社」同志の取引に利用できない地域通貨がほとんどです。

B to Bで利用できるようになれば、流通も拡大できるため、定着する可能性はあるでしょう。

 

 

まとめ

誕生した地域通貨の多くが終息してしまったのは、流通量が広まらなかったことが原因です。特定の地域だけに留まらず、他の地域でも利用できる利便性があれば、流通量は拡大し、継続して運用していくことができるでしょう。

 

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